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Bitcoin Optech Newsletter #81
今週のニュースレターでは、LNDの次のメジャーバージョンのプレリリーステストの公募、チャウミアン・コインジョインの一部として支払いを送信する方法のレビューの募集、開発中であるプロトコル「Discreet Log Contract」の仕様の関連情報、およびBitcoinの人気サービス、クライアント・ソフトウェア、インフラストラクチャ・プロジェクトなどの主要な変更についてお送りします。
Action items
- ● LND 0.9.0-beta-rc3 テストのヘルプ: LNDの次のメジャーバージョンである、このプレリリースには、いくつかの新機能とバグ修正が含まれています。経験があるユーザーは、リリース前に問題を特定して修正できるように、ソフトウェアのテストを支援することをお勧めします。
News
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● 新しいCoinjoin mixing手法の提案: Max Hillebrandは、Bitcoin-DevメーリングリストでWormholeについてスレッドを立ち上げました。これは、チャウミアン・コインジョインの一部として支払いを送信するため、Wasabiデザインディスカッション中に開発された方法です。このプロトコルは、(匿名設定の制限内で)支払い者でさえ、受け手側のビットコインアドレスを知ることを防ぎます。開発者のZmnSCPxjは、この手法はトラストレスなチャウミアン・ペイメントサービスを提供するtumblebitに似ていると述べています。 Hillebrandは、今後実装されるのを期待して、設計に関するフィードバックを求めています。
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● Discreet Log Contracts(DLC)のプロトコル仕様: DLCは(単一または複数の)オラクルによって決定される特定のイベントの結果に応じて、2人の当事者が資金を交換することに同意する契約プロトコルです。イベントが発生した後、オラクルはイベントの結果に対するコミットメントをデジタル署名の形式で公開し、勝者はこれを利用して資金を請求できます。オラクルは契約の条件を(更には契約の有無さえ)知る必要はありません。この契約は、LNのオンチェーン部分のトランザクションのように見えるか、将来的にはLNチャネル内で実行されることも考えられます。これにより、DLCは他のオラクルベースの契約方法よりもプライベートかつ効率的なものとなります。また、誤った結果を犯したオラクルの明確な証拠を残すため、より安全とも言えるでしょう。
今週、Chris Stewartは、LNを含む、さまざまなソフトウェア間で使用する相互運用可能な設計の構築を目的として、複数の開発者がDLCを使用するための仕様に取り組んでいると発表しました。現在の仕様については、リポジトリをご覧ください。 DLCに興味がある人は、プロトコルを契約するためのデジタル署名スキームの、他のクレバーな応用をまとめたscriptless scriptsリポジトリを確認することもできます。
Changes to services and client software
この月刊セクションでは、Bitcoinウォレットとサービスの注目すべきアップデートをお送りします。
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● さまざまなBitcoin技術を活用するRiver Financial: Twitterで、River Financialは彼らの提供する製品におけるデフォルトでのPSBT、script descriptors、LN、およびネイティブsegwitアドレス の使用状況を共有しました。
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● Wasabiのインカミング・トランザクションにおけるRBF記述: Wasabiのインカミング・トランザクション通知は、RBF(Replace-by-Fee)シグナルと、そのトランザクションがリプレース・トランザクションであるかどうかを伝達するようになりました。プライバシーを強化するために、WasabiはRBF(Replace-by-Fee)トランザクションの2%をランダムに通知します。
Notable code and documentation changes
今週のBitcoin Core、C-Lightning、Eclair、LND、libsecp256k1、Bitcoin Improvement Proposals(BIPs)、およびLightning BOLTsの注目すべき変更点。
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● Bitcoin Core #17843は、再利用回避を使用したウォレットで発生する、
listunspent
とgetbalances
RPCにおける再利用アドレスの決定方法の不一致を解決するのに役立ちます。解決するまでは、この問題により、getbalances
RPCが使用可能な資金の量を過剰に算出していた可能性がありました。 -
● Eclair #1247では、Newsletter #72で説明したSphinxプライバシーリークを(ルーティングノードがソースノードに戻るパスの長さの下限を推定できる可能性あった)修正されます。
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● Eclair #1283は、マルチパス・ペイメント(MPP)が通知されていなかったチャネルの通過を可能にします。これは、eclair-mobileがMPPを行うために必要なものです。
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● LND #3900では、支出者が支払いとともにカスタムデータレコードを送信できます。
lncli
を使用すると、ユーザーは--data
フラグをレコードIDと16進数のデータ(例えば65536=c0deba11ad
)とともに渡すことができます。カスタムデータレコードの使用例としてはプライベートメッセージをLN経由でルーティングするWhatSatプログラムなどがあります。